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火勢鎮圧状態で、運転席側ドアをスプレッダーで開放し、カッターで切断するとともに救助工作車装備のウインチでハンドルを引き起こし、助手席側に倒れていた運転手を救助したが、全身炭化状態で内蔵の一部が露出した状況であった。
九 おわりに
昭和五七年四月には、新潟県南魚沼広域事務組合と消防相互応援に関する協定を結び、関越トンネル下り線を当本部、上り線を魚沼消防本部が相互応援し、年一回、トンネル内の点検整備時に、道路公団・群馬・新潟両県警と共同消防訓練を実施している。この火災・救助活動を終え、日々の訓練の積み重ねと隊員相互の信頼、協調が大切であり、消防団との連携が欠かせないと確信するとともに、自動車専用道路全線の水利施設が検討課題として残っている。(劔持道夫)
救急・救助
初詣でに向かう途中?崖下に転落幼児二人奇跡的に助かる
菊池広域行政事務組合消防本部(熊本)
はじめに
当本部は、一市、一町、一村で構成され、熊本県の北東部に位置し、北は大分県と境を接し、東は鞍岳を主峰とする阿蘇外輪山がそびえている。南西には菊池平野が広がり、阿蘇外輪山に源を発する菊池・迫間の両河川が肥沃な土壌を育み、良質な菊池米の産地として名声を留めている。
また昨年、湧出四二周年を迎えた温泉は、「乙女の肌」を思わせる独特の泉質で、熊本市の奥座敷的温泉のある田園観光都市として、県内はもとより県外からも大勢の湯治客が訪れている。
消防体制は、一本部、一署、職員数五三名の小規模ながら地域住民の安全を守るため、各種災害に対処している。
ここに紹介する救急・救助事例は、親子四人が乗ったRV車が、比較的見通しの良い上りの直線道路で運転操作を誤り、約二〇m下の菊池渓谷に転落、おさな子二人を残し両親が死亡するという痛ましい事例である。
一 事故の概要
(一)発生日時 平成八年一月一日九時三〇分頃
(二)発生場所 熊本県菊池市大字原(菊池渓谷)
(三)死傷者 四名(死亡二名、軽傷二名)
(四)覚知時間 九時四七分
(五)気象状況 天候晴れ、気温三・二度、湿度八三・六%
二 出場人員及び車両
救助隊四名(資器材搬送車・救急車各一台)
救急隊五名(救急車二台)
指揮隊三名(司令車一台)
消防隊五名(消防車一台)
菊池警察署五名
三救助活動
九時四七分、「県道下約二〇mの菊池渓谷に車が転落している。負傷者数については不明。」との救急・救助指令を受け、救助隊員四名は救急隊員三名と共に直ちに現場出場した。幾多の救助事象に出場している我々も、渓谷への転落事故は初めてのことであり一瞬緊張感が走る。
現場の状況、車両の破損程度、救助方法と併せて資機材等の選択等々次々と考察すると共に、折からの冷え込みで路面凍結の恐れもあったため、機関員にその旨指示しながら現場へと向かった。
一〇時〇五分、現場到着。直ちに状況を確認すると、転落車両はパイプ製ガードレールをなぎ倒し、県道下約二〇mの渓谷の岩場に助手席側を下にした状態で転落していた。道路から渓谷までは垂直に切り立った崖になっているため、救助隊員に座席による垂直降下での進入を指示すると同時に、救急隊員に対岸から進入できるか確認する
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